シリーズ:ひとつ海のパラスアテナ
ひとつ海のパラスアテナ2
第21回電撃小説大賞<大賞>作の続編が早くも登場!
第21回電撃小説大賞<大賞>作の続編が早くも登場!
「大丈夫。助けはきっと来るよ」
見渡す限りの水平線(ホライゾン)。浮き輪もなしで波間に漂う少女・アキと、もう一人。疲労は、限界だった。『溺死』という不吉な二文字が、脳裏をよぎる。
「……来ないと、思います」
波間にぽつんとたゆたう二人。海と空。二色の青しか存在しない現代(アフター)で、漂流者を助ける者は漂流者自身しかいない。
「大丈夫。絶対助かるよ」
「助かりません」
二人の周囲には、海面から太いケーブルが脱出を遮るように突き出し、漏電によって稲妻のように輝いていた。ケーブルの上には、獲物の命が尽きるのを待つ猛禽の眼もあった。 少女が悟ったように、微笑みながら言った。
「助けは『絶対に』来ないんです。ここは……セントゥリア海峡ですから」
絶望的な状況の中で――二人の「生きるための戦い」が、始まる。
ISBN | 9784048650526 |
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判型 | 文庫判 |
ページ数 | 376ページ |
発売日 | 2015年4月10日発売 |
定価 | 715円(本体650円+税) |