シリーズ:月の盾
月の盾
「護くん」の岩田洋季が贈る、天才少女「桜花」を巡る物語。
「護くん」の岩田洋季が贈る、天才少女「桜花」を巡る物語。
妹の小夜子が事故でこの世を去った八月十五日は、アブラゼミがうるさく、怖いくらいに日没が赤い、まるで世界が焼かれていくような夕方だった。そして、五年後の小夜子の命日。同じように夕陽で赤い空を、雲がせわしなく流れていく。周囲がアブラゼミの鳴き声に包まれる。なにか、予感めいたものがあった。驚くほど暗く、常にざわざわと不穏な音を奏でる森の中、上りかけた月の光が優しく降り注ぐその下に、小柄で美しい少女は座っていた。「―あなたは…だれなの?」少女の声質は小夜子と似ていた―。日没になると必ず眠る少女国崎桜花は、決して小夜子の代わりではなくて―。
ISBN | 9784840234320 |
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判型 | 文庫判 |
ページ数 | 376ページ |
発売日 | 2006年5月10日発売 |
定価 | 683円(本体650円+税) |